
アストン・ヴィラからユベントスへと移籍したドウグラス・ルイスにとって、この1年は決して順風満帆とは言えなかった。プレミアリーグで評価を高め、ブラジル代表としても存在感を示していた彼は、2024年夏の移籍市場でユベントスの中盤を刷新する重要なピースとして迎えられた。しかし、トリノの地で待っていたのは期待に応える活躍ではなく、試練の連続だった。
セリエA特有の戦術的厳しさとフィジカルバトルは、プレミアでの経験豊富なルイスにとっても予想以上に難しいものだった。ボールの動かし方や守備の位置取り、そして何より試合のリズムをコントロールする役割を求められる中で、彼は持ち味を十分に発揮できなかった。ユベントスは守備的安定を重視する戦い方を選択することが多く、ルイスの攻撃的なビルドアップや中盤からの推進力は十分に活かされないまま、徐々に居場所を失っていった。
さらに不運だったのは、チーム状況も彼に味方しなかった点だ。中盤にはロカテッリやファジョーリといった選手が台頭し、また夏以降に加入した選手たちが競争を激化させた。監督交代による戦術的な変化も、彼の適応を難しくした要因のひとつだった。結果として、リーグ戦での出場機会は限られ、期待されていたような中盤の軸となることは叶わなかった。
ただ、ルイス自身の姿勢にも課題が見え隠れした。特にこの夏のトレーニング初日を無断欠席した件は、メディアやサポーターから厳しい批判を浴び、クラブ内での立場をさらに不安定にした。ピッチ上での苦戦に加え、こうした振る舞いが評価を下げたことは否めない。時に選手のキャリアは環境や戦術との相性に左右されるが、自らの行動がその道を険しくしてしまうこともあるのだ。



コメント